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ノンアスベスト屋根は塗装が出来ないの?!

「塗装できない屋根がある」というのをご存じですか?
正確には、塗装しても意味がない、塗り替えというメンテナンスが適さない屋根があるのです。
今回はそんな「ノンアスベスト屋根」についてのお話をします。

外壁塗装を考えるときには、あわせて屋根の塗装も一緒に検討されると思います。
一般的な屋根というと、「瓦、スレート、板金平葺屋根など」の種類がありますが、今回は、その中でも「スレート屋根」のお話です。

スレート屋根の一般的な耐用年数は、30年と言われています。
ところが昨今、私が現場調査にお伺いする築20年以内のスレート屋根のお宅で、屋根材に「ひび割れ・欠け・めくれ」などが発生しているケースに多く出会います。

それはなぜか・・・

そのほとんどが、「ノンアスベスト屋根」と言われるものでした。

一般的に、アスベスト(石綿)と聞くと、危険なイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、アスベストは空気中に浮遊した状態になければ危険性は低いといわれています。
現に、築30年以上のスレート屋根のお宅は、アスベスト入りの屋根材なので、強度はしっかりしています。

優れた建築材として、広く使用されていたアスベストですが、肺がんを起こす可能性があるということで、規制が始まり、2000年前後に屋根メーカーは一斉にノンアスベスト屋根材を製造しました。

ノンアスベストへの切り替え時期のスレート屋根は、アスベストの代わりにパルプ繊維などが配合されており、その影響により強度が低くなってしまいました。
パルプ繊維を使ったことで吸水性が高まり、結果として早い年数(20年未満)での劣化につながっていることが多いのです。




例えば、こんな屋根材…

ニチハ パミール 1996年~2008年頃流通
ニチハ パミール 1996年~2008年頃流通していた製品 ミルフィーユのように層状にパリパリとめくれる、はがれる(層状剥離)という症状が特徴です
クボタ コロニアルネオ、グリシェイドネオ 2001年~2006年頃流通
クボタ コロニアルネオ、グリシェイドネオ 2001年~2006年頃流通していた製品 ひび割れや欠けが発生しているのが特徴です
クボタ・松下電工 ザルフグラッサ  2001年~2006年頃流通
クボタ・松下電工 ザルフグラッサ 2001年~2006年頃流通していた製品 紫外線により劣化し、強度が落ち、反り、ひび割れ、欠けの層間剥離が起こり、高圧洗浄で破損してしまうことがあります
セキスイ かわらU 1975年~2007年頃流通
セキスイ かわらU 1975年~2007年頃流通
古い屋根に重ねて張れる屋根材として流行した屋根材で、ひび割れや剥離が起こりやすいです

 




現場調査で伺うと、このように屋根材に不具合が出ているケースが多く見受けられます。

もし、塗装が望ましくない屋根に無理に塗装をしてしまうと、塗装後に割れが発生し割れた部分から吸水して傷んでしまいます。更に塗装してもまた同じことの繰り返しになってしまいます。
そして、塗装の保証(塗膜保証)の場合、スレートの割れには適用されませんので注意が必要です。

塗装後3年経過後のノンアスベスト屋根



グッドジョブでは、もちろん状況にもよりますが、軽微なひび割れであればまず部分的に補修を行います。そしてその後に塗装をする工事をお勧めしています。
補修箇所が多い場合には、屋根塗装ではなく、葺き替えやカバー工法でのご提案をさせていただくのが一般的です。



屋根は外壁と違って見る機会があまりなく、劣化に気づきにくい場所です。
自分で屋根に上ることは大変危険ですし、上ることにより屋根材を更に傷めてしまう可能性もあります。
また、設計図面に違う製品名が書いてあったからうちは問題ない、と判断してしまうことは危険です。実は図面と実際の使用建材が異なることも多くあります。

ご自宅の屋根材が塗装できない製品かどうかは、専門業者にきちんと点検してもらい判断をしましょう。